千軒コース

標高差840m 歩行距離14.2km

2012年9月15日 天候 晴れ→曇

奥二股駐車場〜大千軒岳
時間 行程 所要時間 累計時間
6時00分 奥二股駐車場発
7時25分 千軒銀座着 1時間25分 1時間25分
7時35分 千軒銀座発
8時50分 千軒平着 1時間15分 2時間40分
9時00分 千軒平発
9時25分 大千軒岳着 0時間25分 3時間05分
大千軒岳〜奥二股駐車場
時間 行程 所要時間 累計時間
9時40分 大千軒岳発
10時05分 千軒平着 0時間25分 0時間25分
10時35分 千軒平発
11時20分 金山番所着 0時間45分 1時間10分
11時20分 金山番所発
12時45分 奥二股駐車場着 1時間25分 2時間35分

前千軒岳

前千軒岳

  

登山口の奥二股キャンプ場で前泊するために林道を行く。

知内川沿いの林道の途中で前千軒岳が見えた。

右側のごつごつした山が前千軒岳。

奥二股キャンプ場

奥二股キャンプ場

  

奥二股キャンプ場といっても単なる駐車場で、キャンプ設備は何もないに等しい。

トイレはあるが使う気になれない。

ここで車中泊したが何となく寝付きは悪かった。

森林管理署の看板と大千軒岳案内図など

森林管理署の看板と大千軒岳案内図など

  

森林管理署の看板の横に大千軒岳案内図の入った箱があった。

見やすい案内図でポイントもしっかり説明があった。

記帳して出発。

林の中はまだ暗い

林の中はまだ暗い

  

はじめは車が通れるほどの道幅がある。

6時出発ということでまだ薄暗い。

奥二股登山口の看板

奥二股登山口の看板

  

100mほど歩くと奥二股登山口の看板がある。

大千軒植物群落保護林の表示がある。

ここから金山番所まで100分とある。

奥二股沢川に架かる橋

奥二股沢川に架かる橋

  

奥二股登山口の看板からすぐに橋があり奥二股沢川を渡る。

橋はけっこう頑丈そうな木の橋で、以前は細い吊り橋だったようだ。

奥二股沢川は本流の知内川と変わらない水量があった。

本流の右岸を進む

本流の右岸を進む

  

橋を渡ってからしばらく本流の右岸を進むこととなる。

この辺りの登山道ははっきりしているので迷うことなないだろう。

高巻きの始まり

高巻きの始まり

  

沢沿いの道には違いはないが、何度も高巻きを繰り返す。

再び沢沿いへ

再び沢沿いへ

  

再び沢沿いに降りてきた。

高巻きより沢沿いの方が道は荒れており歩きづらい。

狭戸

狭戸

  

沢に降りてから少し進むと沢の両岸の岩が狭くなった「狭戸(せばと)」がある。

ここからは右岸を大きく高巻くこととなる。

高いところでは沢から50m以上も上がるところがある。

広い河原

広い河原

  

大きな高巻きののち再び沢に降りてくると開けた河原になる。

通称「広い河原」と呼ばれている。

三角州のように石が集まっていて平坦な広い河原になっている。

ガイドブックには、広い河原の先に丸太で作った橋があり左岸に渡ると書いてあったがどこまで行っても橋はない。

仕方がないので適当なところで沢を登山靴のまま渡った。

水深は10cm程度、沢幅2〜3mなのでどこでも簡単に渡れそうだ。

標高321m地点

標高321m地点

  

左岸の林の中を10分ほど行くと、国土地理院の地図で標高321mの地点に着く。

対岸の木の枝にも赤テープが付いていて道があるようだが、沢はかなり流れが早くなっておりやや深い。

枝沢と大きな岩

枝沢と大きな岩

  

少し行くと右側上から小さな枝沢があり、大きな岩で行く手を阻まれているような感じだが、そのまま進むことができる。

写真は大きな岩と枝沢を越えたところで振り返って写したもの。

左岸の草付きの岩を伝って進む

左岸の草付きの岩を伝って進む

  

枝沢の先には道らしい踏み跡も見えないが、さらに左岸の草付きの岩を伝って進むことができる。

水量の多いときは高巻くことができるようだが、どこから行くかは判然としない。

10mほど草木をつかみながら慎重に進む。

左岸の様子を振り返る。

ミズヒキ

ミズヒキ

  

沢から少し離れて林内を行くとミズヒキの花が多数見られた。

タデの仲間で日陰に生育する。

  

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石崎越の沢

石崎越の沢

  

本流から離れてまもなく小さな枝沢「石崎越の沢」を越える。

ハンゴンソウ

ハンゴンソウ

  

キク科のハンゴンソウも見られた。

草丈は2m近くにもなり花期は7〜9月と長い。

  

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サラシナショウマ

サラシナショウマ

  

サラシナショウマの花とつぼみが同時に見られた。

春先のサラシナショウマは山菜としても食べられ、解熱・解毒の成分があり漢方薬としても使われる。

  

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金山番所跡の看板

金山番所跡の看板

  

金山番所跡の看板に到着した。

奥二股登山口まで90分とあり、下りも登りと大差ない時間がかかるようだ。

金山番所跡の白い十字架

金山番所跡の白い十字架

  

大きな岩の上に白い十字架があり、朝陽が当たって眩しく輝いていた。

岩にはレリーフがはめ込まれており、クリスチャンの殉教死について書かれている。

この先登山道は岩の左から沢側に続いているが、右側にも踏み跡があり間違えやすい。

再度沢越え

再度沢越え

  

金山番所跡を過ぎて再度小さな沢を越える。

千軒銀座の看板

千軒銀座の看板

  

沢を越えてすぐに千軒銀座の看板が地面に置かれている。

中千軒岳の急斜面

中千軒岳の急斜面

  

千軒銀座辺りから目指す中千軒岳の急斜面が見えてくる。

ダイモンジソウ

ダイモンジソウ

  

千軒銀座を過ぎて沢の岩場にダイモンジソウがかたまって咲いていた。

湿っぽい岩場でよく見かける花で沢の周辺に多い。

名前の由来は花弁5枚のうち下の2枚が大きく大の字に見えることからきている。

  

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崩落した登山道

崩落した登山道

  

中千軒岳への登りは急坂が続く。

途中で崩落個所があり登山道が無くなっていた。

10mほど斜め上に進んだ先に登山道があるようにも見えるが、完全に崩れているため真っすぐには登れない。

そのため、すぐ上の木の枝を掴んで真上に登った

休み台

休み台

  

崩落地を過ぎてしばらく進むと小さな平坦地に出る。

休み台の看板があるが、林でやや暗くあまり長く居る気になれない。

前千軒岳

前千軒岳

  

だんだん周りの木が低くなって視界が開けてくる。

まもなく登山道の先に前千軒岳が見えてくる。

標高1056mしかないが十分に高山の雰囲気を醸し出している。

  

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ガンバレ岩

ガンバレ岩

  

前千軒岳が見えてくるとまもなくガンバレ岩に到着する。

きつい登りの途中で一息入れるには見晴らしも良くちょうど良い。

エゾノホソバトリカブト

エゾノホソバトリカブト

  

傾斜が緩くなって中千軒岳の北斜面を横切る。

この辺りからお花畑になっており、エゾノホソバトリカブトがまだしっかりと咲いていた。

エゾノホソバトリカブトはダイセツトリカブトと良く似ている。

  

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千軒平手前の分岐標識

千軒平手前の分岐標識

  

千軒平の手前に分岐標識があり、左へ行くと35分で前千軒岳、65分で旧道登山口となる。

右に行くと30分で大千軒岳とある。

標識の下にはクマ除けの鐘が付いている。

千軒平に到着

千軒平に到着

  

千軒平は名前のとおり高原に平坦地が広がっており、もう少し早い季節には一面がお花畑になる。

中ほどに銀色に輝く十字架があり、その先に大千軒岳が見えている。

大千軒岳の手前の山は江良岳という。

  

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江良岳を経由して大千軒岳に向かう

江良岳を経由して大千軒岳に向かう

  

千軒平を過ぎ、江良岳を経由して大千軒岳に向かう。

尾根上の道で両サイドとも見晴らしがたいへん良い。

  

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コウメバチソウ

コウメバチソウ

  

8〜9月が花期のコウメバチソウは登山道周辺でも数多く見られた。

ウメバチソウとの見わけは仮雄しべの先の分裂数で、コウメバチソウは7〜11裂、ウメバチソウは15〜22裂と多い。

  

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千軒清水への分岐

千軒清水への分岐

  

大千軒岳への最後の登りの途中に千軒清水への分岐がある。

分岐から左へ60mほどで水が浸み出す岩場に到着する。

千軒清水

千軒清水

  

大千軒岳の山頂直下で標高1010mほどの地点で岩場からこんこんと水がほとばしっている。

たいへん冷たい水で水質も良い。

山頂直下にもかかわらずこれだけの水量があるのは驚きだ。

エゾゴマナ

エゾゴマナ

  

大千軒岳頂上付近の枯れ草の間にエゾゴマナが咲いていた。

キク科シオン属の多年草で北海道から東北地方の北部で見られる。

  

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前千軒岳方向を振り返る

前千軒岳方向を振り返る

  

大千軒岳頂上手前で前千軒岳方向を振り返る。

やや雲が多くなってきて遠方は霞んで良く見えない。

天気が良ければ津軽海峡を隔てて本州も見えるはずだが。

ハクサンシャジン

ハクサンシャジン

  

ハクサンシャジンはモイワシャジンと同様に山地の岩場に多い花だが大千軒岳山頂のような草地にも生育する。

釣鐘状の花から雌しべがとび出ているのはモイワシャジンと似ている。

愕片の形が違っており、ハクサンシャジンは糸状で細い。

  

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大前千軒岳山頂到着

大前千軒岳山頂到着

  

大前千軒岳山頂到着した。

周りは低い草しか生えていないので360度遮るものなしだ。

一等三角点測量開始百年記念の碑

一等三角点測量開始百年記念の碑

  

山頂の南側に一等三角点測量開始百年記念の立派な記念碑がある。

「北海道の三角点は1896年(明治29年)7月に選定された千軒岳、古部岳、八幡岳が最古です。ここに一等三角点測量開始百年を迎えた記念の碑をたてる」と記されている。

  

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雲がだんだん厚くなってきた

雲がだんだん厚くなってきた

  

前千軒岳辺りからガスが湧いてきて雲もだんだん厚くなってきた。

雨が降る前に下山することとした。

中千軒岳と前千軒岳

中千軒岳と前千軒岳

  

江良岳から中千軒岳と前千軒岳を望む。

千軒平に建つ十字架や尾根に続く登山道が見えている。

  

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ブドウマイマイ

ブドウマイマイ

  

下山途中の江良岳付近で黒いカタツムリに出会った。

ブドウマイマイと言い道南地方で良く見かける。

かなり前に登った狩場山でも大きなブドウマイマイを見たことがる。

  

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ミヤマアキノキリンソウ

ミヤマアキノキリンソウ

  

ミヤマアキノキリンソウは夏から晩夏・初秋にかけて咲く。

江良岳周辺にも多数見られた。

  

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ヤマハハコ

ヤマハハコ

  

ヤマハハコも同じような時期に咲き、遅くまで枯れずに残っていることが多い。

茎や葉に白い毛がある。

  

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ミネアザミ

ミネアザミ

  

チシマアザミと似ているが、花の向きがやや上向きであることや総苞片が線状披針形であることからミネアザミと思われる。

葉が全縁で切れ込みがあまり無いことからミヤマサワアザミとは違う。

  

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崩落地手前の斜面

崩落地手前の斜面

  

千軒平を離れて中千軒岳の急坂を下る。

だんだん林が密になってくる。

石崎越の沢

石崎越の沢

  

石崎越の沢を越えて広い河原に向かう。

標高321m地点の沢沿いの道

標高321m地点の沢沿いの道

  

標高321m地点の沢に突き当たると対岸に登山道のような踏み跡が見えるが、そのまま左岸の草付きの岩伝いに進む。

オオウバユリの実

オオウバユリの実

  

広い河原手前の林の中でオオウバユリの実を見つけた。

中に無数の種が入っていて晩秋から冬にかけて実が割れて種が舞い散る。

  

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ノリウツギ

ノリウツギ

  

同じ林内にはノリウツギも多数見られた。

ノリウツギはアジサイの仲間で、周りの花弁のように見えるのはは装飾花である。

花期には小さな花が内側にたくさん咲くが、今はもう実になっている。

広い河原

広い河原

  

広い河原に近づくと林が明るくなってくる。

注意していないと渡る場所を過ぎてしまうが、水深はどこでも浅いので苦労することはない。

対岸に渡る

対岸に渡る

  

適当なところで対岸に渡る。

再び林に入る

再び林に入る

  

再び林に入り右側を高巻いていく。

キツリフネ

キツリフネ

  

キツリフネは山地の湿った林内や沢地に生える。

下側に花弁が大きく、内部に赤い斑点がある。

花期は6〜9月と長い。

  

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高巻きの登山道

高巻きの登山道

  

しばらく高巻きの登山道が続く。

アップダウンが多く疲れる。

狭戸

狭戸

  

高巻きがいったん終わると再び通称「狭戸」に到着。

  

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右岸沿いを進む

右岸沿いを進む

  

その後右岸沿いをやや高巻きながら進むとまもなく登山口に着く。

奥二股沢川の橋に到着

奥二股沢川の橋に到着

  

奥二股沢川の橋に到着した。

標高1000m程度の山としてはけっこうハードな行程であった。

ミゾソバ

ミゾソバ

  

登山開始時には気が付かなかったが、登山口に小さなピンク色の花がたくさん咲いていた。

ミゾソバと言うタデ科の植物で、水が豊富で栄養価の高い土地に群生する。

  

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