武華山東尾根コース〜武利岳〜武華山
標高差798m(獲得標高差約1500m) 歩行距離15.8km
時間 | 行程 | 所要時間 | 累計時間 |
---|---|---|---|
5時30分 | 登山口発 | ||
6時50分 | 1747m分岐着 | 1時間20分 | 1時間20分 |
7時10分 | 1747m分岐発 | ||
7時40分 | 最低コル着 | 0時間30分 | 1時間50分 |
7時40分 | 最低コル発 | ||
8時15分 | 1660m尾根着 | 0時間35分 | 2時間25分 |
8時30分 | 1660m尾根発 | ||
9時35分 | 武利岳着 | 1時間05分 | 3時間30分 |
時間 | 行程 | 所要時間 | 累計時間 |
---|---|---|---|
10時10分 | 武利岳発 | ||
10時50分 | 1660m尾根着 | 0時間40分 | 0時間40分 |
11時10分 | 1660m尾根発 | ||
11時30分 | 最低コル着 | 0時間20分 | 1時間00分 |
11時30分 | 最低コル発 | ||
12時20分 | 1747m分岐着 | 0時間50分 | 1時間50分 |
12時30分 | 1747m分岐発 | ||
12時55分 | 武華山着 | 0時間25分 | 2時間15分 |
13時10分 | 武華山発 | ||
13時35分 | 1747m分岐着 | 0時間25分 | 2時間40分 |
13時35分 | 1747m分岐発 | ||
14時35分 | 登山口着 | 1時間00分 | 3時間40分 |
武華岳登山道標識(5:10)
札幌を前日夕方に出て石北峠駐車場で車中泊。
国道から登山口に至る林道の入り口は少々分かりにくい。
石北峠から北見に向かって1.8kmほど進んだ右カーブが終わる地点に作業用道路の小さな標識がありそこを左折する。
林道に入ってから1.3kmほどでT字路になり、武華岳登山道(右矢印)の標識がある。
林道はかなり狭く車1台分程度で、道路脇からフキが覆いかぶさるように生えており車体に当たる。
林道終点の駐車場(5:15着)
登山道の標識を右折して約1.9kmで林道終点の駐車場に着く。
駐車スペースは5〜6台分ある。
入林ポスト(5:30)
駐車場を出てまもなく入林ポストがある。
記帳して5時30分にスタート。
看板に「昨年の台風等により風倒木が多く危険のため、ライオン岩コースには入らないでください」とある。
特に下りの際に倒木で登山道を見失うと迷う危険性が高まるので下山時は避けたほうがよさそうだ。
頂上まで3.9kmの標識(5:31)
入林ポストを過ぎてすぐに頂上まで3.9kmの標識がある。
武華山山頂までの距離だ。
イトムカ川沿いの緩い登山道(林道?)を進む(5:34)
左のイトムカ川に沿って緩い登山道が続いており、せせらぎの音を聞きながら進む。
支流を渡る(5:37)
少ししてイトムカ川の小さな支流を渡る。
滑滝が現れる(5:41)
支流を過ぎるとイトムカ川の流れが滑滝となって流れ落ちているのが見える。
東尾根コースとライオン岩コースの分岐(5:42)
滑滝のすぐ上に東尾根コースとライオン岩コースの分岐がある。
ライオン岩コースは木でバリケードされている。
右の東尾根コースに進む。
登山道脇にゴゼンタチバナが咲いている。
ゴゼンタチバナの植生は林が途切れる高度まで広がっている。
左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。
エゾノレイジンソウも多数見られたが、高度の低い林の中が主体だ。
エゾノレイジンソウは山地の林縁や沢沿いに生える多年草でトリカブトの近縁種だ。
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尾根の側面を登る(5:59)
徐々に沢から離れ尾根の側面を斜めに登る。
この辺りは標高1370mほどで、風倒木により林がやや開けた感じになり見通しが良い。
頂上まで2.5kmの標識(6:01)
3.9kmの標識から1.4km来たことになる。
1747m分岐まで約3kmなので、距離的には分岐までの半分になる。
ズダヤクシュは山地の樹林下に生えるユキノシタ科の多年草である。
漢字では「喘息薬種」と書くようだ。
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勾配がだんだんきつくなる(6:05)
標高1400mを過ぎる辺りからだんだん勾配がきつくなる。
少しずつ尾根上に向かう感じだ。
尾根に向かって直登(6:19)
標高1500m辺りで向きをやや右に変えて尾根に向かって直登する。
ここの斜度は今回のコースの中でも2〜3番目にきついところだ。
尾根上に出る(6:25)
急斜面を登り終えると尾根の上だ。
地理院地図の標高1574m地点になる。
振り返ると樹間から反対側の尾根が見えている。
尾根に出ると沢山のハクサンシャクナゲに迎えられる。
花はちょうど見ごろで白から淡いピンク色が多い。
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尾根上の大岩(6:30)
どこから来たのか尾根の上に高さ3mほどの大きな岩がある。
尾根にはイソツツジも多い。
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ハイマツの廊下(6:33)
標高1630mを過ぎると登山道はハイマツの廊下になる。
1747mピークが目前に(6:45)
だんだんハイマツの丈が低くなり1747mピークが目前に見えてくる。
左側はなだらかな高原状だが右側は急な崖状になっている。
1720m地点にケルン(6:45)
標高1720mほどの地点の岩にケルンが積まれており、そこからガスの中にライオン岩がかすかに見える。
天気が良ければ表大雪や十勝連峰も見えるはずだが。
1747mの分岐(6:50)
分岐には枯れたハイマツの枝が立てられており、武華山山頂へは左へ1.0kmと表示されている。
天気が良ければ表大雪や十勝連峰も見えるはずだが。
分岐から西の方向にライオン岩が見え隠れしている。
武華山の山頂はずっと雲の中だ。
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武利岳はガスの中(7:03)
分岐から少し右前方に進むと北側の視界が開けるが、武利岳はガスの中で見えない。
吊り尾根の最低コルが見えている。
草露でびしょ濡れになったため、藪漕ぎに備えてここでカッパを着る。
武利岳に向かう道(7:08)
分岐から武利岳への歩き始めは明瞭な道がついている。
分岐からの下り斜面にはエゾツツジの群落が見られた。
武華山方面に向かった場合には見ることができない。
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さらに尾根を下って樹林の中に入ると目立たない花だがツマトリソウがひっそりと咲いていた。
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林の尾根道を下る(7:16)
写真では分かりづらいが林の尾根に比較的明瞭な踏み跡がある。
ほとんど道を探すことなく下ることができる。
前方に岩の壁が見える(7:27)
急坂を20分ほど下ると勾配が無くなり前方に岩の壁が見えてくる。
草が増えるが道はわかる。
振り返ると1747m地点が見える(7:29)
振り返ると1747m地点が見える。
現在地点の標高は1523mほどだ。
標高差200m以上あり、帰りの登り返しが辛そうだ。
岩に到着(7:31)
先ほど見えた岩の近くまで来た。
地図では東側が崖になっているのは分かるが、このコブの盛り上がりは予想しにくい。
西側を巻くようにして標高差18mほど登ることになる。
コブの上(7:34)
コブの上まで来た。
木が多いのであまり恐怖感はないが、右側は断崖だ。
このあたりにもハクサンシャクナゲが沢山咲いていた。
ここを下りるといよいよ最低コルになる。
前方に最低コルと武利岳への尾根が見える(7:39)
前方に最低コルが見えてくる。
割と平坦な200mほどの区間だ。
登山道は地図の主稜線をなぞるように進む。
武利岳尾根への登り(7:39)
写真を拡大すると尾根への最後の登りの部分がはっきりとわかる。
最低コルから尾根の上に出るまでの標高差は200mほどだが、傾斜は今回の登山中最も急だ。
平均斜度で30度ほどだ。
また写真で樹林帯とハイマツ帯が明確に分かれているのが見える。
標高1620mくらいの高さになる。
最低コルに到着(7:43)
最低コルに着いた。標高1480mほどだ。
はじめは丈のあまりない草が多く草原のようだ。
道は何となくわかるがピンクテープを頼りに進んだ方が良い。
コブを振り返る(7:43)
後を振り返るとコブが見える。
コブの高さは標高1540mほどで最低コルとは60mほどの標高差がある。
笹が増えてくる(7:46)
徐々に笹が増えてくるが、足元に踏み跡があるのが何となくわかる。
先のピンクテープを見落とさないように進む。
笹丈が背丈を超えるところもでてくる(7:55)
所々笹の丈が背丈を超えるような場所もでてくる。
足元の踏み跡もあいまいになってきた。
あとはピンクテープが頼りだ。
急な登りに入ってからも笹の濃い状態は続く。
ただ、笹の太さは細目なので漕ぎ分けるのはそれほど労力は要さない。
笹丈が低くなる(8:05)
笹丈が低くなると藪漕ぎは終盤だ。
ただ一か所だけピンクテープの方向にそのまま横に進むと迷いそうな場所があったので注意を要する。
横に行くことはほぼ無く、尾根に向かって直登する意識がだいじだ。
ハイマツ帯に出る(8:09)
笹藪漕ぎ20分あまりでハイマツ帯に出る。
一安心だ。
急傾斜と笹藪には疲れる。
樹林帯を出ると遮るものが無くなり視界が開ける。
後を振り返ると武華山方面が良く見える。
右端が武華山で左端が1747mの分岐点になる。
左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。
武利岳の尾根への登りにも花が多い。
コケモモの花がちょうど見ごろだ。
左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。
尾根の上に出る(8:17)
尾根の上に出ると前方に武利岳らしき山が雲に隠れている。
ここでしばし休憩。
草露の影響でなんとカメラが不調に。
この後しばらく撮影不可になる。
尾根上を進む(8:33)
15分ほどでカメラが復活した。
ここから先は武利岳山頂まで終始尾根の上だ。
ガスで遠方は良く見えないが、展望が利いてすがすがしい。
山頂のガスが取れて前方に武利岳の山頂部が見えてきた。
平坦でない稜線の形状も分かる。
手前から二つ目のピークが山頂だ。
左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。
尾根の側面を横切る(8:42)
尾根はほとんど上部を進むが、時々側面を横切る。
たまに太陽が出て日差しが気持ち良い。
尾根を振り返る(8:43)
尾根を10分あまり歩いて後を振り返る。
けっこうアップダウンがあることが分かる。
登山道脇にエゾツツジ(8:44)
尾根上の登山道にはいろいろな高山植物が見られる。
特にエゾツツジは多い。
尾根の上に明瞭な登山道が続く(8:45)
尾根の上には明瞭な登山道が続いている。
武華山との間の笹藪さえなければ気持ちの良い尾根歩きが比較的容易に経験できる。
武利岳への登り(8:47)
武利岳への登りの尾根が直線状に続く。
途中で1709mの小さなピークを通過する。
1709mピーク手前でまた武利岳山頂山頂部が見えてきた。
山頂標識があるピークは隠れて見えない。
左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。
エゾツツジが咲く岩の側面を通過する(9:00)
1709mピークを過ぎると、エゾツツジが咲く岩の側面を通過する個所がある。
岩に這いつくばるように進む。
岩を振り返る(9:01)
岩を振り返ると大したことは無さそうに見えるが、落ちたらただでは済まない。
歩いてきた稜線の向こうに武華山が見える。
天気が良ければ右に石狩連峰が見えるはずだ。
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武利岳への最後の登りで、岩の間にミヤマキンバイが咲いていた。
数は多くなく、他の場所ではほとんど見られなかった。
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武利岳山頂近くの南斜面は尾根の前半より花の種類が多い。
これは高山の礫地に多いイワウメだ。
草ではなく常緑の小低木だ。
左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。
急斜面も終盤に(9:20)
急斜面も終盤に入ったように見える。
この辺りは踏み跡がはっきりしないが、どこを歩いても山頂に着けそうだ。
山頂に近づくとイワブクロが群落が見られた。
花が同じ方向を向いている。
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岩壁にイワヒゲ(9:22)
岩の壁の這うようにイワヒゲが生えている。
イワヒゲもイワウメと同じく常緑の小低木で地面を這うように広がる。
緑の茎のように見えるのは枝に葉がびっしりとついているためで、これがヒゲのように見える。
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前方に頂が(9:23)
急斜面を登り切るとなだらかな斜面の向こうに頂が見えてくるが山頂ではない。
ガスの中に山頂標識(9:29)
ガスの中に次の頂があり、そこに山頂標識らしきものが見える。
一つ目のピーク(9:30)
一つ目のピークに上がるとその向こうに山頂が見える。
10m程度のアップダウンだが地図では分からない。
山頂に到着(9:34)
山頂には木製の年季の入った標識がある。
手前に一等三角点がある。
南側の眺め(9:35)
山頂から登ってきた南側を眺めると、前方の頂に隠れて武華山や稜線の状況は見えない。
あまりアップダウンがあるようにも見えない。
一方、山頂の北側は岩の稜線が続く。
武華山に比べこちらの方が高山の雰囲気がある。
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なだらかな尾根を下る(10:13)
たぶん草露も取れてきたと思われるので、上のカッパだけ脱いで下山を開始。
なだらかな尾根を下る。
急斜面を下る前に稜線を撮影(10:13)
山頂からの見通しの良い稜線歩きは標高1660mで尾根を下る地点まで約1.5km続く。
時々ガスが晴れて稜線の向こうに武華山が見える。
武華山の右側に台状にせり出して見える部分の根元にライオン岩がある。
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軽快に尾根を下る(10:43)
アップダウンを繰り返しながら軽快に尾根を下る。
登りでは気が付かなかったが登山道のすぐ脇にチシマヒョウタンボクが咲いていた。
まわりには実をつけているものもある。
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標高1660m地点に到着(10:50)
標高1660mの武華山への最低コルに向かう地点に到着した。
尾根はこのまましばらく続くが左折地点は明瞭なので見落とすことはないと思う。
武利岳はガスの中(10:52)
これからしばらく武利岳が見えなくなるので振り返るも山頂部はガスの中だ。
最低コルもガスの中(11:01)
これから向かう最低コルもガスに隠れている。
ここでカメラをリュックにしまって下りはじめる。
登りに比べるとまだ楽だが、藪を漕ぎ分けるために無駄な力が入り、最低コル辺りで足の筋肉が痙攣する。
芍薬甘草湯を飲んで少し休んで恐る恐る歩きはじめる。
痙攣の再発は無さそうだがゆっくり進む。
武華山への標高差250mほどの登り返しがきつい。
1747m分岐点に戻る(12:20)
ようやく1747m分岐点に戻る。
ここから武華山までは多少のアップダウンはあるものの標高差はほとんどないので一安心だ。
ただし向かう武華山はガスの中で見えない。
ハイマツと灌木の廊下(12:30)
平坦な登山道を少し行くとハイマツと灌木の廊下になる。
道は歩きやすいが両脇から枝が迫ってくるためよけるのがたいへんだ。
ハイマツに交じってウラジロナナカマドが見られた。
枝先に白い花が密に咲いている。
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武華山への登山道で一部開けた場所があり、キバナシャクナゲが数株見られた。
丈が20〜30cm程度と低く、クリーム色の花が枝先に数個ついており、ハクサンシャクナゲとは違うと思う。
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エゾツガザクラは比較的ポピュラーであるが、今回の行程ではこの場所ではじめて見た。
キバナシャクナゲと同様に数はあまり多くない。
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チングルマも数は少ないが咲いていた。
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多少のアップダウンあり(12:41)
1747m分岐から武華山(標高1759m)まではあまり標高差は無いが、多少のアップダウンはある。
始めは稜線のやや北側面を進むが、途中から上にでる。
前方は山頂のひとつ前のピークになる。
山頂の岩が見える(12:50)
直下の斜面から山頂部の岩が見える。
武華山山頂(12:50)
武華山の山頂は岩が露出した狭い山頂だ。
大雪湖と高根ヶ原(13:03)
遠方はガスでよく見えないが大雪湖とその向こうにまだ雪渓が残っている高根ヶ原がときどき見えている。
ニセイチャロマップ川を挟んで西側に屏風岳がある。
どっしりと裾が広がったなかなか良い形をしている。
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1747m分岐点への稜線(13:11)
時々ガスが晴れて1747m分岐点への稜線が見える。
あいかわらず武利岳の東側にはガスがかかっている。
武利岳へと続く国境稜線上にはっきりと登山道が見える。
最低コルからの藪漕ぎがなければもっとポピュラーなコースになるだろう。
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イトムカ川沿いの登山道まで下りて来ると周辺に黄色い小さな花が見られた。
湿地などに群生するオオバミゾホオズキだ。
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登山口の伏流水(14:36)
登山口に戻ってきた。
入林ポストの横に冷たい伏流水がある。