岩尾別コース

標高差1430m 歩行距離16.0km

2011年8月13日 天候 快晴

登り
時間 行程 所要時間 累計時間
5時10分 登山口(木下小屋)発
6時20分 弥三吉水着 1時間10分 1時間10分
6時20分 弥三吉水発
7時40分 羅臼平着 1時間20分 2時間30分
7時40分 羅臼平発
8時40分 羅臼岳着 1時間00分 3時間30分
下り(三ツ峰経由)
時間 行程 所要時間 累計時間
9時40分 羅臼岳発
 
11時10分 三ツ峰着 1時間30分 1時間30分
11時15分 三ツ峰発
 
13時30分 登山口着 2時間15分 3時間45分

登山口

登山口

  

昨日は羅臼平で泊って硫黄山まで往復する計画であったが、山頂付近は濃霧と強風のため羅臼平から引き返して来た。

天気が回復するような予感があったので、岩尾別への分岐道路手前の駐車スペースで車中泊し、リベンジすることとした。

今日は打って変わって快晴で風も無し。

5時前に岩尾別温泉に着いたが、ホテル前の駐車場は既に満杯で、道路脇にかなりの台数が駐車していた。

急いで準備をして5時過ぎに出発

実を言うと、昨日車中泊した場所で小川(イワウベツ川)の反対側にヒグマが居るのを目撃しており、暗い林の中は何となく気持ちが悪い。

  

オホーツク展望台からの眺め

オホーツク展望台からの眺め

  

ヒグマ出没多発区間の看板を過ぎてまもなくオホーツク展望台に着く。

天気が良いのと他の登山者も大勢いるようなので気分的には昨日より安心感がある。

名前のとおりオホーツク海が見えている。

  

遠音別岳

遠音別岳

  

559m岩峰辺りからの尾根はけっこう見晴が良い。

南斜面が切れ落ちた感じの遠音別岳の特徴的な姿が見えている。

  

650m岩峰から羅臼岳

650m岩峰から羅臼岳

  

650m岩峰の標識があるが、周りに草木が多くて岩峰の雰囲気はあまり無い。

登山道前方の尾根の向こうに羅臼岳山頂の岩塔が見えてきた。

この後その尾根の左側を20分ほど進むと弥三吉水があり、極楽平を越えて大沢に至る。

極楽平は文字通り平坦で楽に越えることができるが、何の変哲もないまばらな林で高山植物もほとんど見られない。

  

大沢からオホーツクを望む

大沢からオホーツクを望む

  

極楽平を過ぎると急な登りとなりしばらくジグを切って進む。

途中でほとんど水の流れていない銀冷水を通って大沢に至る。

大沢は一帯がお花畑になっており、眼下にはオホーツク海が見えてくる。

  

知床五湖と木道

知床五湖と木道

  

良く見ると知床五湖と木道が見えている。

湖は一湖と二湖が見えており、左側に見える木道は高架木道である。

高架木道はヒグマが登らないように高さが2m以上あり、電気柵を備えている。

また車いすでも利用できるように段差を無くし傾斜を抑えてあるそうです。

  

チシマクモマグサ

チシマクモマグサ

  

大沢上部でチシマクモマグサの群落が見られた。

この花は羅臼岳以外にも大雪山や夕張岳などで咲いている。

やや厚みのある葉に小さな毛が生えている。

  

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羅臼平に到着

羅臼平に到着

  

大沢の急坂を登って羅臼平に到着した。

右には羅臼岳、左に三ツ峰、前方の海上には国後島がはっきりと見えた。

北方領土がすぐそこにあると実感できた。

  

羅臼岳の岩塔

羅臼岳の岩塔

  

羅臼岳の頂上部は岩塔になっており、頂上直下の登りはかなりの急登である。

羅臼平から道のりで約1km、標高差は300m強ある。

写真はややピンボケで荒々しさが無くなっている。

  

三ツ峰

三ツ峰

  

すぐ左手は三ツ峰で硫黄山への縦走路がある。

三ツ峰には名前の通り三つのピークがあり、羅臼平からは左の一番低いピークだけが見えている。

  

国後島の羅臼山

国後島の羅臼山

  

国後島は島の長さが約120kmあり、知床半島からの最短距離は約25kmしかない。

羅臼山は島の中央よりやや南側に位置しており、標高は888mでとなりの小羅臼山はそれより少し低い。

  

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爺爺岳

爺爺岳

  

羅臼平の中央付近では国後島が大きすぎて一部しか見えない。

少し羅臼岳側に進むと、左側の遠方に国後島最高峰(北方4島でも最高峰)の爺爺岳が見えてくる。

標高は1822mあり、コニーデ型の山が2段に重なったような形である。

  

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国後島

国後島

  

この場所ではまだ国後島の全貌は見えていない。

  

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岩清水

岩清水

  

なだらかな羅臼平を越えて急登にかかる箇所に水場がある。

地図には岩清水と記されており、湿った岩壁から滴り落ちるようにしみ出している。

  

カップに滴る岩清水

カップに滴る岩清水

  

苔むした岩肌から滴る水滴をカップで受け止める。

数分で1リットル程度は確保できそう。

水質は良い。

  

頂上直下の岩壁

頂上直下の岩壁

  

頂上まで100mほどの地点で上方を見ると、そそり立つような岩壁である。

ただ登山道どおりに進めば見た目ほどきつくはなく、危険というほどでもない。

  

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イワギキョウ

イワギキョウ

  

頂上直下の岩の隙間にイワギキョウが咲いていた。

羅臼岳ではいたるところでイワギキョウが見られる。

  

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硫黄山へ連なる山並み

硫黄山へ連なる山並み

  

頂上から硫黄山へ連なる山並みが一望でき、縦走ルートの大まかな様子が分かる。

手前から三ツ峰(標高1509m)、サシルイ岳(標高1564m)、オッカバケ岳(標高1462m)、南岳(標高1459m)はサシルイ岳に隠れて良く見えない、知円別岳(標高1544m)、左に折れて火山灰のような山肌の尾根を通り三つの尖がった山のいちばん左が硫黄山(標高1562m)である。

  

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硫黄山と知円別岳

硫黄山と知円別岳

  

ややズームアップ。

  

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知円別岳と東岳

知円別岳と東岳

  

知円別岳と東岳をさらにズームアップ。

知円別岳の周辺はシレトコスミレの大規模な群落が見られる。

  

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硫黄山

硫黄山

  

硫黄山へはカムイワッカの滝の先からも直接登ることもできる。

硫黄山もシレトコスミレの産地である。

周りに同じような形の尖頭形の山が二つあり、いずれも1500mほどの標高がある。

  

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西側の眺望

西側の眺望

  

西側に目を向けると、すぐ下に見える湖は羅臼湖でその手前の山が天頂山、湖の右上の山は知西別岳(標高1317m)、その奥の尖がりは遠音別岳(標高1330m)、その向こうのなだらかで幅のある山は海別岳(標高1419m)、一番奥の高い山は斜里岳(標高1547m)と続く。

  

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さらにワイドにすると、オホーツクの海と斜里の町もかすかに見えている。

羅臼湖

羅臼湖

  

羅臼湖は標高750m付近にある知床最大の湖で、国道の見返り峠付近から登山道がついている。

登山道は常にぬかるんでいるようなので長靴があったほうが良い。

  

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斜里岳方面をズームアップ

斜里岳方面をズームアップ

  

手前の知西別岳の尾根の上に特異な尖がり形の遠音別岳が見え、遠方に海別岳と斜里岳が重なって見える。

斜里岳以外には夏道は無い。

  

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阿寒の山々

阿寒の山々

  

斜里岳の右側遠方に薄らと阿寒の山々が見えている。

左から雄阿寒岳、阿寒富士、雌阿寒岳。

  

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ウトロ港

ウトロ港

  

北側に目を移すとウトロの港が見える。

ウトロ港には知床観光船などの遊覧船乗り場があり、山側には温泉街が広がっている。

埠頭の先にある大きな岩はオロンコ岩と言われ、高さが60mあり頂上まで急な石段が付いている。

  

岩尾別の浜

岩尾別の浜

  

ウトロ港の東側には岩尾別の浜が見える。

知床自然センターから国道を左折し、知床五湖に向かう道道93号を進んで、いったん下ったところが岩尾別である。

イワウベツ川の河口周辺が砂浜になっている。

岩尾別温泉に向かう道の分岐付近に岩尾別ユースホステルがある。

  

羅臼の港

羅臼の港

  

南側に目を向けると羅臼の港と中心街が見えている。

羅臼の街は海岸沿いに広がっているが、国道沿いに内陸部にもかなり入っているのが見てとれる。

3kmほど山側に入ったところに羅臼温泉がある。

  

国後島と色丹島

国後島と色丹島

  

再び国後島の羅臼山方面に目を向けると、その向こうに色丹島が見えているのが分かった。

また国後島の海岸線に白波が立っているのも見える。

知床と国後の間の海には船も見えている。

  

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爺爺岳

爺爺岳

  

爺爺岳をズームアップ。

別名「国後富士」と呼ばれ活火山である。

2段階のコニーデ型であること良くわかり、周りの上空に雲がかかっているのが見える。

  

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国後島の全貌

国後島の全貌

  

羅臼岳の山頂からは国後島の全体を一望することができる。

残念ながらカメラのワイド側(15mm)でも全体を収めることができなかった。

  

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知床半島と国後島

知床半島と国後島

  

知床半島の先に国後島の最北端ルルイ岬とルルイ岳(標高1486m)がかすかに見えている。

  

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イワブクロ

イワブクロ

  

山頂の厳しい環境でもあちらこちらに花が咲いている。

イワブクロは道内のほとんどの山で見られるポピュラーな花だ。

  

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タカネトウウチソウ

タカネトウウチソウ

  

タカネトウウチソウも多数見られた。

穂状の花はブラシのように見える。

  

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ミヤマアキノキリンソウ

ミヤマアキノキリンソウ

  

こちらは別名コガネギクと呼ばれるミヤマアキノキリンソウだ。

盛夏から初秋にかけて咲く。

  

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チングルマ

チングルマ

  

頂上直下の岩石帯に花が散ったチングルマが見られた。

花柱が伸びて羽毛のようになっている。

  

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ハイオトギリ

ハイオトギリ

  

ハイオトギリが登山道脇に一輪だけ咲いていた。

群生することが多いから近くにもあるのだろう。

  

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コケモモの実

コケモモの実

  

コケモモがもう実を付けていた。

花はコメバツガザクラに似ていて6月下旬から8月にかけて咲くようだ。

  

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三ツ峰

三ツ峰

  

岩清水辺りから三ツ峰を眺めるとちょうど三つの峰が良く見える。

三ツ峰の間にサシルイ岳がはまり込んでいる。

硫黄山へ続く登山道も良く分かる。

  

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羅臼岳岩塔にガス

羅臼岳岩塔にガス

  

羅臼平まで下りると羅臼岳岩塔部に向かってガスが流れてきた。

やはり午後は天気が崩れやすいのかと思いきやすぐに抜けて行った。

  

チシマノキンバイソウ

チシマノキンバイソウ

  

羅臼平から三ツ峰への登りにかけても多様な高山植物が見られる。

チシマノキンバイソウの大き目で濃い黄色の花はよく目立つ。

  

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チシマアザミ

チシマアザミ

  

三ツ峰への登りで陽当たりの良い場所にアザミが咲いていた。

総苞片に蜘蛛毛が見られることからミヤマサワアザミのようにも見えるが、葉が羽状中裂で上のほうにもあり、茎に毛が見られないことからチシマアザミのようだ。

  

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チシマフウロ

チシマフウロ

  

ここのチシマフウロはずいぶんと花弁の紫の筋が目立っている。

咲いてからそんなに時間は経っていないようだが、花弁がしわしわに見える。

  

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羅臼岳

羅臼岳

  

三ツ峰への登りの途中から見た羅臼岳。

羅臼平のキャンプ指定地が良く見えている。

一番左側の筋が登山道で、急登にかかる箇所に岩清水がある。

  

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岩塔部をズームアップ

サシルイ岳

サシルイ岳

  

三ツ峰のコルからサシルイ岳が前方に見える。

さらにその左奥には硫黄山が少し見えている。

縦走路は三ツ峰のコルの中を通る。

  

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三ツ峰の最高峰

三ツ峰の最高峰

  

三ツ峰の最高峰は向かって右奥にあり、標高は1509mある。

どの峰にも頂上に向かう踏み跡がある。

  

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三ツ峰のピークから羅臼岳を望む

三ツ峰のピークから羅臼岳を望む

  

三ツ峰の頂上まではコルから10分程度で行ける。

360度の視界で羅臼岳をはじめとして良い展望台になる。

  

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岩塔部をズームアップ

他の二つの峰

他の二つの峰

  

三ツ峰ピークから他の二つの峰を望む。

二つの峰の間の距離は250mほどで標高差は20mほどしかない。

  

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サシルイ岳の登り

サシルイ岳の登り

  

三ツ峰ピークからサシルイ岳のジグザグの登山道が見える。

羅臼岳山頂から見るより標高差が感じられきつそうである。

サシルイ岳の背後には硫黄山が見えている。

  

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三ツ峰キャンプ地

三ツ峰キャンプ地

  

裸地が2箇所あり、中央の裸地には看板が見える。

その左上にはフードロッカーが設置されている。

テントを張れそうな場所は、この2箇所の裸地と手前にやや植生のまばらな部分があるが、それ以外は難しそうである。

それにしてもキャンプ地とフードロッカーが近すぎるような気もするが。

  

熊の掘り返し

熊の掘り返し

  

大沢下部の斜面が何者かに掘り起こされていた。

たぶん熊が掘り返したものと思われる。

同様の掘り返しは各地の山で見られる。


弥三吉水から知床連山を振り返る

弥三吉水から知床連山を振り返る

  

弥三吉水まで下りてきて振り返ると木の間から知床の山々の連なりが見えた。

手前からサシルイ岳、オッカバケ岳、いちばん奥に硫黄山。


硫黄山

硫黄山

  

硫黄山はどこから見てもすぐにそれとわかる形をしている。


三ツ峰とサシルイ岳

三ツ峰とサシルイ岳

  

やや下って樹間に三ツ峰とサシルイ岳が並んで見えた。

  

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羅臼岳、三ツ峰、サシルイ岳

羅臼岳、三ツ峰、サシルイ岳

  

下山後に岩尾別ユースホステル前の駐車場から羅臼岳方面を撮影。

この先の道路標識から右折して登山口の岩尾別温泉まで舗装道路が続いている。

今回は日帰り登山になってしまったが、次回はテント泊で硫黄山まで足を延ばしてみたい。

宿泊地は時間配分からは二ツ池が理想だが、安全面からは羅臼平に宿泊してピストンするのが良さそう。

 

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