万計沢コース(札幌岳縦走コースの途中までピストン)
標高差884m 歩行距離21.1km
時間 | 行程 | 所要時間 | 累計時間 |
---|---|---|---|
6時10分 | 登山口発 | ||
7時30分 | 万計沼着 | 1時間20分 | 1時間20分 |
7時30分 | 万計沼発 | ||
8時00分 | 真簾沼着 | 0時間30分 | 1時間50分 |
8時00分 | 真簾沼発 | ||
8時35分 | 空沼岳着 | 0時間35分 | 2時間25分 |
時間 | 行程 | 所要時間 | 累計時間 |
---|---|---|---|
9時15分 | 空沼岳発 | ||
10時05分 | 標高1197m地点着 | 0時間50分 | 0時間50分 |
10時10分 | 標高1197m地点発 | ||
11時10分 | 空沼岳着 | 1時間00分 | 1時間50分 |
時間 | 行程 | 所要時間 | 累計時間 |
---|---|---|---|
11時50分 | 空沼岳発 | ||
12時25分 | 真簾沼着 | 0時間35分 | 0時間35分 |
12時25分 | 真簾沼発 | ||
12時50分 | 万計沼着 | 0時間25分 | 1時間00分 |
12時50分 | 万計沼発 | ||
13時55分 | 登山口着 | 1時間05分 | 2時間05分 |
空沼岳登山口駐車場
国道453号線を支笏湖方面に向けて進み,常盤温泉の看板を右折して道なりに行くと採石場に至る。
つきあたりを左折して採石場の中の入ると「空沼」の看板があるので,案内どおりに進むと小さな橋があり,そこを渡って林道に入る。
林道を1kmほど行くと登山口に到着する。
10台ほどの駐車スペースがあるが,シーズンはすぐに満杯になり,林道脇に駐車することになる。
5〜6月頃は山菜採りも多く,6時頃に到着したときには既に3台駐車していたが,山頂に着いた時には誰もいなかったので,多分山菜採りに来た人の車だったのだろう。
記帳場所のログハウス
駐車場の中ほどにあるログハウスで記帳して登山開始する。
ログハウスは木が真っ黒になっており,建てられてからかなり年数がたっているものと思われる。
登山口の案内標識
登山口の案内標識に主な目標までの距離が示されていた。
万計山荘まで4.2km
真簾沼まで5.8km
龍神地蔵まで5.9km
空沼岳まで7.7kmとある。
ここから対岸へは以前は鉄製の橋が掛かっていたが,現在は丸太3本の簡易な橋になっている。
大木が茂る登山道
橋を渡ってからしばらくはりっぱな広葉樹や針葉樹の大木の中の道を進む。
このエゾマツは直径90cm,高さ25m,推定樹齢250年と表示されている。
マイヅルソウは登山道脇でよく見かける。
秋には赤い実を付ける。
左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。
フッキソウもいたるところで咲いており,時期が2週間遅いことに因るかもしれないが,札幌岳より数が多いように感じられた。
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ツバメオモトも普通に良く見かける花で,地面から直接生え出るような葉の形にも特徴があり,花の時期でなくても割と良く分かる。
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万計沢川沿いの登山道
大木の林をしばらく行くと沢音が聞こえてくる。
万計沼を水源とする万計沢川である。
1kmほど沢の右岸沿いの登山道を進む。
万計沢川沿いの登山道ではあちらこちらでオオカメノキの白い花が目についた。
外側の白い目立つ花は飾り花で雄しべや雌しべが無い。
種類は違うがよく似た花でエゾアジサイも同じような花の造りになっている。
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空沼岳の植生は先日登った札幌岳と同様でエンレイソウやミヤマエンレイソウが多く見られた。
2週間の時間差で札幌岳ではつぼみのミヤマエンレイソウが多かったがこちらでは完全に開花していた。
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エンレイソウは枯れかかっているものも多く見られた。
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崩落した登山道
万計沢川沿いの登山道は2箇所で崩落していた。
ここが一つ目の崩落箇所で崩れた跡は比較的新しい。
写真では分かりずらいがかなり大きく崩れており,登山道との落差が1m以上もあり,這い上がるのに苦労した。
崩落個所に下りないで,倒れた大木と斜面との隙間をくぐる方が楽である。
サンカヨウは漢字では山荷葉と書く。
荷葉はハスの葉のこと。
山のハスということから山荷葉という。
花が散りやすく,この花も黄色の雄しべがほとんど落ちてしまっていた。
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二つ目の崩落箇所
一つ目の崩落箇所から300mほど進んだ地点で大きな木が根こそぎ反対側の岸に向かって倒れていた。
根元の部分には新しい水の通り道ができており,水も澄んでいることから崩落してから少し時間が経っているようだ。
万計山荘への案内標識
標高790m地点で万計山荘への案内標識があり,右折して万計沢川の対岸へ渡る。
丸太の橋を渡る
対岸へは丸太の橋を渡る。
滑るので注意する必要がある。
手前には壊れた木道のようなものが沢に向かって付いているので以前は橋があったのかもしれない。
多分ミヤマスミレでないかと思う。
花はひじょうに小さく1〜2cmほどであまり目立たないが,数はたくさん見られた。
登りはじめのうちはもっと色の薄いものが多かったが,標高が高くなるにつれて濃い紫色になってきた。
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前方に滝が現れる
沢を離れてしばらく林の中を進むと再び左下に深い沢が現れる。
その先には滝があり万計沢の源頭となる。
急な斜面にはロープが付いており,細い登山道を慎重に進む必要がある。
緩やかな流れ
滝を過ぎると流れは緩やかになり,その先が開けてくる。
沢沿いに進むと万計沼に出る。
万計沼は標高913mにある直径200mほどの小さな沼。
万計沢からかなりの水量が流れ出ており,周囲の沢からそれなりの流入があるのだろう。
周りは針葉樹林に囲まれており静かな環境にある。
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万計山荘
万計沼の畔には2件の山小屋があり,ひとつは営林署が管理している万計山荘で,もうひとつは北海道大学の空沼小屋である。
万計山荘からは人の声が聞こえてきていた。
空沼小屋
空沼小屋は万計沢を渡った側にひっそりと建っていた。
こちらは人影は無く利用者はいないようだ。
万計沼の畔を右側に回り樹林の中を1.5kmほど進むと大きく開けた明るい真簾沼(標高1058m)に到着する。
湖畔には小さめの岩が多数あり,沼の水は澄んでいるが,飲用にはむかないようだ。
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空沼岳の山頂部が見えてくる
真簾沼から急な涸れ沢を100mほど登ったところで空沼岳の山頂部が見えてくる。
ここから稜線の下まで若干の下りがある。
この辺りの林は灌木が多く明るい。
稜線への急な登り
コルから稜線まで100m弱の急坂を斜めに登る。
ところどころ雪渓が残っており一部氷になっていた。
国土地理院の地図では稜線へのアプローチがもうひとつ記載されているが見つけられなかった。
縦走ルートの分岐
稜線に出ると分岐の標識が木に掛っている。
左に行くと空沼岳山頂,右に行くと札幌岳への縦走路である。
山頂までは約200mですぐそこだ。
ハイマツのトンネル
山頂に出る直前にハイマツの短いトンネルがある。
そこを過ぎると直ぐに岩が露出した頂上だ。
山頂に出ると雲海に浮かぶ山々が目に飛び込んできた。
向かって右には恵庭岳,その左奥に風不死岳と樽前山が重なって見えている。
向かって左側は,手前がイチャンコッペ山,その向こうに紋別岳が見えている。
その間にある支笏湖は雲で隠れている。
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後を振り向くと西側には羊蹄山などがくっきりと見えている。
中央に羊蹄山,その左には尻別岳,右側手前に狭薄山,その奥に無意根山と中岳が狭薄山をはさむように見えている。
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山頂標識
山頂部は南東方向と北西方向に細長く伸びていて,10mほど岩石が露出している。
その北西側の端に山頂標識がある。
南東側の尾根にはかすかに踏み跡があり1kmほど先に空沼があるが,灌木の藪がひどく途中で断念した。
南西方向にはどっしりとした感じの漁岳が見えている。
山頂は左端で標高は1317.7mある。
地図を見ると右側のピークの方が標高1327mと高い。
山頂への一般的な夏道は無い。
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恵庭岳をズームアップ。
恵庭岳は標高1320mで漁岳と同等であるが,頂上の岩峰が特徴的で札幌方面からもすぐに分かる。
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羊蹄山も裾の方まではっきりと見えていた。
筋状に刻み込まれた雪渓が美しい。
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羊蹄山の左には尻別岳もよく見えていた。
奥に薄ら見える山頂の尖った山は昆布岳である。
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空沼岳から札幌岳への縦走ルートでは,ところどころでタカネザクラ(ミネザクラ)が見られた。
花がまばらに付いているが,かえって自然な感じがして良い。
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頂上直下の断崖
空沼岳山頂から下りてくると,直下の尾根は北側が崖になっていて切れ落ちている。
この後,縦走ルートの中間点にあるヒョウタン沼を目指した。
縦走ルートは国土地理院の地図ではしばらく尾根の真上をたどるように見えるが,実際には尾根の真上を行くのは分岐付近までで,その後やや南側斜面を進んだ後再び尾根上に出る。
尾根の北側には雪渓が残っており,縦走ルートはところどころで雪渓に隠れるため雪渓の上を進む。
振り返ると空沼岳の頂上部が見えている。
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地図上1210m表記地点の先で雪渓から日当たりの良い土の尾根に登るとシラネアオイの群落があった。
花の色がやや濃い紫色に感じられた。
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1197mピーク手前コルの雪渓
1197mピーク手前のコルに比較的大きな雪渓が残っている。
雪渓上をそのまま進んでいくと灌木の藪に行く手を遮られる。
登山道は雪渓の左側の藪の中に続いているが,気をつけないと見落とす恐れがある。
雪渓脇の登山道に白いノウゴウイチゴの花が多数見られた。
岐阜県能郷村で初めて発見されたことからノウゴウイチゴと言う。
普通のイチゴは花弁が5枚であるが,これはほとんどが7枚であった。
7月頃から果実が見られるようになる。
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コルから1197mピークを目指して北側斜面の雪渓を登る。
1197mピークで後を振りかえると真簾沼が割と近くに見えた。
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雪渓の先には札幌岳が見えた。
ここからだとまだ縦走路の半分以上ある。
次にヒョウタン沼へ向かうべく登山道を探したが見つからなかった。
地図には縦走路が二股に分かれており,1197mピークを通る縦走路はあまり使われていないのかもしれない。
仕方なく引き返すこととした。
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少し戻って尾根の笹藪越しに空沼岳をズームアップ。
細長い山頂部が何となく分かる。
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同じ場所から透明感のある真簾沼と見えた。
手前には湿原状の広がりも見える。
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縦走路からは南側に漁岳が良く見えている。
空沼岳から漁岳に連なる尾根の向こうには恵庭岳が山頂部を覗かせている。
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後を振り返ると樹間からときどき羊蹄山も見えている。
空沼岳頂上から見るよりも大きく感じられる。
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再び空沼岳山頂に戻ってきた。
歩いてきた雪渓とその向こうに狭薄山と札幌岳が見えている。
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狭薄山奥の無意根山をズームアップ。
東側断崖にはまだ雪がかなり残っている。
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朝方より雲が低くなり山裾の広がりが見えるようになってきた。
山肌もよく分かるようになってきた。
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万計山荘の赤い屋根
北側に目を向けると万計山荘の赤い屋根が見える。
手前の万計沼は森に隠れて見えない。
相変わらず羊蹄の姿が凛々しいので再掲する。
トリミングで150mm望遠相当にズームアップした。
この後しばらく眺望を堪能してから下山の途につく。
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真簾沼から1197mピークへの雪渓
真簾沼まで下りてきて1197mピークへの雪渓を眺める。
向こうからこちら側が良く見えるように,1197mピークへの雪渓が良く分かる。
下山後に採石場から空沼岳を眺める。
あまり特徴のない形だが,札幌方面からいつも見ていると,山塊の左端に位置している台形状の形はすぐに分かる。
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