1日目(天人峡温泉〜化雲岳〜ヒサゴ沼避難小屋)

2日目(ヒサゴ沼避難小屋〜トムラウシ山〜忠別岳避難小屋)

3日目(忠別岳避難小屋〜化雲岳〜天人峡温泉)

2004年7月14日〜16日 天候 曇時々晴(14日)→快晴(15日)→霧雨のち晴

天人峡温泉〜ヒサゴ沼避難小屋(7月14日)
時間 行程 所要時間 累計時間
6時25分 天人峡温泉発
7時35分 滝見台着 1時間10分 1時間10分
7時35分 滝見台発
9時40分 第1公園着 2時間05分 3時間15分
9時40分 第1公園発
10時40分 第2公園着 1時間00分 4時間15分
11時10分 第2公園発
13時40分 ポン沼着 2時間30分 6時間45分
13時40分 ポン沼発
15時05分 化雲岳着 1時間25分 8時間10分
15時05分 化雲岳発
16時10分 ヒサゴ沼避難小屋着 1時間05分 9時間15分

ヒサゴ沼避難小屋〜トムラウシ山〜忠別岳避難小屋(7月15日)
時間 行程 所要時間 累計時間
5時00分 ヒサゴ沼避難小屋発
8時10分 トムラウシ山着 3時間10分 3時間10分
8時50分 トムラウシ山発
13時20分 化雲岳着 4時間30分 4時間30分
13時20分 化雲岳発
15時50分 忠別岳避難小屋着 2時間30分 7時間00分
忠別岳避難小屋〜化雲岳〜天人峡温泉(7月16日)
時間 行程 所要時間 累計時間
7時00分 忠別岳避難小屋発
10時15分 化雲岳着 3時間15分 3時間15分
10時45分 化雲岳発
16時00分 天人峡温泉着 5時間15分 8時間30分

滝見台

滝見台

  

天人峡温泉から2泊分の荷物を持って出発。

涙壁と呼ばれる急斜面に三十三曲りの登山道があり、標高差300mほどを一気に登り切ると平坦な尾根に出る。

そこから500mほど行くと滝見台である。

正面には忠別川を挟んで遠方に旭岳が見えている。

羽衣の滝

羽衣の滝

  

滝見台から谷を挟んで反対側の壁に羽衣の滝が見える。

羽衣の滝は落差270mあり北海道で最大(落差)の滝である。

この後しばらくは左に忠別川の谷を見下ろしながら尾根上を進む。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

第一公園

第一公園

  

尾根が広がり急坂を登り切ると木道のある平坦な第一公園に出る。

この辺りから樹木が少なくなる。

ハクサンチドリ

ハクサンチドリ

  

木道のすぐ傍にハクサンチドリが咲いていた。

まわりは湿原状になっており他にワタスゲなどの高山植物が見られる。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

イソツツジ

イソツツジ

  

第一公園を過ぎて少し行くと第二公園がある。

この辺りからハイマツが多くなり高山性の花が増える。

第二公園から小化雲岳への登りの途中でイソツツジが見られた。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

コマクサ

コマクサ

  

小化雲岳は頂上を通らずに北東斜面を横切る。

途中でコマクサが見られた。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

イワブクロ

イワブクロ

  

同じ斜面でイワブクロが多数咲いていた。

イワブクロは多くの山で見られるポピュラーな高山植物だ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾヒメクワガタ

エゾヒメクワガタ

  

エゾヒメクワガタは北海道だけに見られる高山植物だ。

1cmほどの小さな花が茎の先にまとまって咲く。

雌しべの花柱が長く花冠からつき出ている

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

キバナシャクナゲ

キバナシャクナゲ

  

ややピンクがかっているがキバナシャクナゲだ。

高山の礫地などに生える常緑の低木で樹高10〜30cmほどだ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマキンバイ

ミヤマキンバイ

  

ミヤマキンバイは高山の礫地などに生える多年草である。

草丈10〜20cmほどでメアカンキンバイよりやや大きく花弁の先が凹んでいることで見分けられる。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

チングルマ

チングルマ

  

チングルマも極めてポピュラーな高山植物だ。

ミヤマキンバイと同じバラ科だがこちらは草ではなく小低木だ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾツガザクラ

エゾツガザクラ

  

小化雲岳周辺にはエゾツガザクラも多い。

葉の形が針葉樹に似ておりこれも常緑の小低木だ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマ

  

こちらはヨツバシオガマだ。

標高が低いところにも生育するが高山のものほど草丈は低くなる。

葉も少し赤みを帯びている。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

イワヒゲ

イワヒゲ

  

イワヒゲも高山の岩礫地に生える常緑小低木だ。

岩地に細い髭状の枝を茂らす。

上部の枝はジムカデのようにも見える。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾツガザクラとアオノツガザクラ

エゾツガザクラとアオノツガザクラ

  

エゾツガザクラとアオノツガザクラが同じ場所に咲いていた。

エゾツガザクラは自然雑種が多いと言われているが、このような状況では当然と思われる。

純粋なエゾツガザクラはもう少し細長い形をしており、このように球形に近いのはアオノツガザクラの特徴だ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマオグルマ

ミヤマオグルマ

  

化雲岳近くまで来たところでミヤマオグルマが見られた。

ミヤマオグルマは高山の草地などに生える多年草で、若いときは全体に白い蜘蛛毛が見られるが、成長するにつれて徐々に少なくなる。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

モザイク状にチングルマの群落

モザイク状にチングルマの群落

  

化雲岳を過ぎてヒサゴ沼キャンプ指定地に向かう途中の斜面にモザイク状に広がるチングルマの群落が見られた。

ここに来る前にも似たような植生は多数見られた。

  

このあとヒサゴ沼の避難小屋に宿泊したが、ほぼ満員状態でひとり当たり約50cm幅の寝場所を確保するのがやっとであった。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ヒサゴ沼湖畔を進む

ヒサゴ沼湖畔を進む

  

翌朝5時にヒサゴ沼避難小屋を出発、まだ完全に夜は明けていない。

湖岸まで雪渓が張り出していて、その上を歩くと何となく気持ちが悪い。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ヒサゴ沼と背後にニペソツ山

ヒサゴ沼と背後にニペソツ山

  

雪渓を標高差100mほど登ってヒサゴ沼を見下ろす。

沼の背後にニペソツ山が見える。

斜度はそれほどでもないはずだが滑ると危険な感じがする。

避難小屋は中州が出ている辺りだ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

正面にトムラウシ山

正面にトムラウシ山

  

雪渓を登り切ると化雲岳方面からの登山道にぶつかる。

ヒサゴのコルからさらに登って溶岩台地に出る頃にはすっかり夜も明けて正面にトムラウシ山が見えてくる。

天沼

天沼

  

溶岩台地を少し行くと天沼に突き当たる。

沼のまわりは多種多様な高山植物のお花畑になっており日本庭園と呼ばれている。

ロックガーデンに向かう

ロックガーデンに向かう

  

天沼を過ぎると巨大な岩が織成す巨岩帯がある。

しばらく大岩を縫って進む。

巨岩帯を過ぎるといったん下ってロックガーデンの登りとなる。

2000m台地へ

2000m台地へ

  

標高差100m以上の岩だらけのロックガーデン登り切ると突然なだらかな斜面に変わる。

2000m台地と呼ばれその奥にトムラウシ山の山頂部が見えてくる。

向かって右側のピークに山頂標識があるが、火口を挟んだ反対側にもピークがある。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

山頂から火口内を覗く

山頂から火口内を覗く

  

トムラウシ山山頂から火口内を覗き込むと、少し前まで水溜りでもあったような跡が見える。

奥に見える山塊は石狩連峰である。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

北側の眺望

北側の眺望

  

北に表大雪の山々がひと塊になって見える。

左から旭岳・熊ヶ岳・後旭岳・北鎮岳・北海岳の山頂がわかる。

ひとつ手前の稜線の右端には化雲岳山頂の大岩も見えている。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

西に十勝連峰

西に十勝連峰

  

西には十勝連峰とそこに至る縦走経路を見渡せる。

手前の青い湖面は南沼である。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

東に石狩連峰

東に石狩連峰

  

東には石狩連峰と手前に沼ノ原の大沼が見える。

左に双耳峰に見えるのは音更山でその右が石狩岳である。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

南沼キャンプ指定地

南沼キャンプ指定地

  

南沼キャンプ指定地まで下りて山頂方向を見る。

山頂とキャンプ場との標高差は200m弱ある。

北沼

北沼

  

山裾を北側にまわって北沼の畔に出る。

まだ雪渓が残っている。

再び2000m台地へ

再び2000m台地へ

  

北沼の畔を巡って再び2000m台地に向かう。

石がゴロゴロしていて歩きずらい。

2000m台地からの眺め

2000m台地からの眺め

  

2000m台地まで上がると前方に表大雪や化雲岳を通る稜線とそこに至る登山ルートが見えてくる。

ヒサゴ沼

ヒサゴ沼

  

ヒサゴ沼の上部まで戻った。

早朝の景色とはだいぶ違う。

トムラウシ山を振り返る

トムラウシ山を振り返る

  

ヒサゴのコル手前の木道からトムラウシ山を振り返る。

2000m台地の上に山頂部が少し見える。

化雲岳からのトムラウシ山

化雲岳からのトムラウシ山

  

ヒサゴのコルから広大でなだらかな化雲平に登り、化雲岳山頂手前の分岐点まで来た。

ここから眺めるトムラウシ山はよく見る姿だ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

お花畑を通って五色岳に向かう

お花畑を通って五色岳に向かう

  

化雲岳の山頂には寄らずにお花畑を通って五色岳に向かう。

ノウサギ

ノウサギ

  

登山道の横で何かが動いた。

ノウサギが警戒態勢で立ち上がっている。

エゾユキウサギが正式の呼称のようだ。

夏は茶褐色だが冬には白くなる。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

忠別岳

忠別岳

  

五色岳に向かう稜線上から忠別岳を望む。

このあと五色岳から忠別岳方向の尾根を下り、ヌタプヤンベツ川源頭部にある忠別岳避難小屋に向かう。

小屋のまわりには大きな雪渓が残っており水が得られる。

早めに小屋に着くとまだ登山者は数人だ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

トカチフウロ

トカチフウロ

  

翌朝は濃いガスで周りの様子はほとんどわからない。

しばらく待って五色岳に向けて出発した。

ガスと朝露でまわりの灌木が濡れている。

五色岳山頂から五色ヶ原にかけては広大なお花畑が広がる。

はじめに目についたのはトカチフウロだ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ウコンウツギ

ウコンウツギ

  

五色岳山頂付近には灌木が多くウコンウツギも見られた。

亜高山から高山に見られる落葉低木で、花の内側が橙色や赤色を帯びており、季節が進むほど赤みが強くなる。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾツツジ

エゾツツジ

  

エゾツツジは高山の岩礫地や草地に生える落葉小低木で、丈が低く強風に強い。

濃い紫色の花は丈の割に大きく目立つ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾウサギギク

エゾウサギギク

  

エゾウサギギクは高山のやや湿った草地に生育する。

茎に白い毛が生えウサギの耳の形のような葉が生える。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

化雲岳に向かう

化雲岳に向かう

  

五色ヶ原方面にはまだまだ沢山の花が咲いているようだが、今日中に天人峡まで下りる予定のため、お花畑をあとに化雲岳に向かった。

トムラウシ山

トムラウシ山

  

五色岳からのトムラウシ山は少し違った形に見えた。

ほんの少し角度が違うだけでずいぶんと雰囲気が違うものだ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

化雲岳が目前に

化雲岳が目前に

  

化雲岳の目前まで来て山頂の大岩が見えてきた。

化雲平を縫うように木道が敷かれている。

チシマノキンバイソウ

チシマノキンバイソウ

  

ハイマツの陰に>チシマノキンバイソウが咲いている。

チシマノキンバイソウは沢の源頭部の草地などに群生することが多い。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

お花畑の中を進む

お花畑の中を進む

  

化雲岳山頂に近づくとまわりは乾燥ぎみの草原となるが、ここでも多様な花が見られる。

化雲岳の北斜面

化雲岳の北斜面

  

化雲岳の西側にはなだらかな尾根が続いているが、その北斜面は化雲沢川に向かって深く切れ落ちている。

化雲岳山頂

化雲岳山頂

  

化雲岳の山頂には化雲岩と呼ばれる高さ数mもある大岩がある。

ここは3方向からの登山道が合流する地点で多くの登山者でにぎわう地点であるが、午前10時と中途半端な時間の関係もあり静かな山頂であった。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾルリソウ

エゾルリソウ

  

化雲岳山頂西側の崖際に北海道固有の瑠璃色の花エゾルリソウが咲いていた。

葉の表面に白っぽい葉脈が目立つ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

小化雲岳に続く登山道

小化雲岳に続く登山道

  

化雲岳から西側の小化雲岳に向かって登山道が続く。

北は崖で南はなだらかにクワウンナイ川に下る。

  

小化雲岳北東側斜面を進む

小化雲岳北東側斜面を進む

  

小化雲岳は北東側のなだらかな斜面を横切って進む。

登山道右側にポン沼が見える。

  

ポン沼

ポン沼

  

登山道のすぐそばにポン沼があり周辺はお花畑が広がっている。

手前にチングルマの白い花が見える。

左奥の山は忠別岳である。

  

このあと天人峡温泉に向かって約4時間の下山の途に着く。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。


TOPへ