登り:冷水コース,下り:馬ノ背コース

標高差1107m 歩行距離14.9km

2011年7月2日 天候 快晴

登り
時間 行程 所要時間 累計時間
4時35分 登山口発
5時25分 冷水ノ沢着 0時間50分 0時間50分
5時25分 冷水ノ沢発
5時40分 馬ノ背コース分岐着 0時間15分 1時間05分
5時40分 馬ノ背コース分岐発
6時15分 望岳台着 0時間35分 1時間40分
6時15分 望岳台発
6時55分 ガマ岩着 0時間40分 2時間20分
6時55分 ガマ岩発
7時30分 吹き通し着 0時間35分 2時間55分
7時30分 吹き通し発
7時55分 夕張岳着 0時間25分 3時間20分
下り
時間 行程 所要時間 累計時間
8時40分 夕張岳発
   
   
   
   
10時00分 望岳台着 1時間20分 1時間20分
10時00分 望岳台発
   
   
   
   
11時00分 登山口着 1時間00分 2時間20分

登山口

登山口

  

国道452号線をシューパロ湖上流で右折し、白銀橋を渡ってペンケモユーパロ川沿いの林道を13km程進み、林道終点の駐車場で車中泊する。

23時過ぎに駐車場に着いたが、既に道路沿いの駐車場は満杯になっていた。

天気が良く満天の星空だった。

3時間程の睡眠をとって早朝4時30分過ぎに出発した。

すでに多くの登山者が登山口付近に居る。

入林ポストで記帳して登山開始。

道路沿いに滝

道路沿いに滝

  

ゲートを過ぎて少し進むと道路沿いに滝が見えてくる。

  

分岐点

分岐点

  

林道をしばらく進むと大きな看板が現れ,高山植物保護についての注意などが書かれており、その横に1400mから頂上にかけて大熊出没とあり写真が付いていた。

かなり体格のいい熊で肩のあたりがモリっとしていて素手では絶対に勝ち目はなさそう

  

さて、ここからコースは二つに分かれていて、右に行くと冷水コース、左に行くと馬の背コース

登りはアップダウンの少ない冷水コースとした。

冷水の沢

冷水の沢

  

熊の写真を見たのでなんとなく気持ちが悪い。

笛を吹きながら進む。

だんだん斜度がきつくなってきて第一の水場「冷水の沢」に到着

標識には登山道入り口から2.1km、頂上まで5kmとある。

水量はかなり豊富

  

ムラサキヤシオツツジ

ムラサキヤシオツツジ

  

10分ほどで第二の水場「前岳の沢」に到着するが、水を汲む場所が見当たらない。

付近でツツジが咲いていた。

開花と同時に葉が開いており、あまり光沢がないことからムラサキヤシオツツジと思われる。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

馬の背コースとの合流点

馬の背コースとの合流点

  

徐々に視界が開けて馬の背コースとの合流点に到着

頂上までは残り4.5km

  

シラネアオイ

シラネアオイ

  

合流点辺りからシラネアオイがあちこちで咲いている。

  

石原平

石原平

  

合流点から20分ほどで石原平に到着

ここはシラネアオイの群生地

花の時期は6月上旬から7月上旬ということで、今回は最盛期に来たことになる。

  

シラネアオイの群落

シラネアオイの群落

  

しばらく登山道の周辺はシラネアオイの群落が続く。

  

ウコンウツギ

ウコンウツギ

  

同じ場所でウコンウツギもかなり見られた。

ウコンは花の色が黄色なことから由来しているようだ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

滝ノ沢岳

滝ノ沢岳

  

登山道の左手の木の間越しに大きく急峻な山が見えてきた。

地図には滝ノ沢岳とある。

良く見ると岩肌が見えていてかなり険しい感じだ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

芦別岳

芦別岳

  

5分ほど行くと左の視界が開けて芦別岳方面が良く見えてきた。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

望岳台

望岳台

  

すぐに望岳台に到着

ここから芦別岳方面が良く見える。

望岳台は登山コースのほぼ中間地点に当たる。

頂上まで残り3.6km

  

滝ノ沢岳

滝ノ沢岳

  

望岳台の標高は1300m程度

先ほどは見上げる感じだった滝ノ沢岳がほぼ同じ目線になる。

  

前岳山腹をトラバース

前岳山腹をトラバース

  

前岳山腹をトラバースぎみに進む。

進行方向に夕張岳山頂部が見える。

山頂の左横に釣鐘岩が見える。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

前岳

前岳

  

見上げると前岳山頂部の迫力ある岩峰が迫ってくる。

雪渓も残っていた。

前岳の標高は1501m

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

サンカヨウ

サンカヨウ

  

前岳を過ぎた沢筋でサンカヨウを見つけた。

大きな葉の上に茎が伸びその先に複数の花を付ける。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

前岳

前岳

  

憩いの沢手前で前岳を振りかえる。

朝日を受けて緑が鮮やかに感じる。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾノリュウキンカ

エゾノリュウキンカ

  

憩いの沢手前の小さな沢でエゾノリュウキンカが多数咲いていた。

別名ヤチブキと呼ばれ山菜のひとつ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾノリュウキンカをアップで

エゾノリュウキンカをアップで

  

エゾノリュウキンカをアップで撮影

花弁がやや萎れているように見える。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

何の花?

何の花?

  

花が閉じているので良く分からないが葉の形はエゾイチゲに似ている。

エゾノリュウキンカの近くに咲いていた。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

オオバキスミレ

オオバキスミレ

  

同じ場所でスミレの仲間が咲いていた。

多分オオバキスミレだと思うが、葉に若干切れ込みがあるのでフギレオオバキスミレかもしれない。

ミヤマキスミレにも似ているようだし、正直良く分からないい。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

憩いの沢

憩いの沢

  

憩いの沢の標識が沢の入口に倒れていた。

頂上まで2.9kmとある。

周りに花は多いが憩いの沢というほどの感じでもない。

沢に水はなかった。

  

前岳湿原入口の看板

前岳湿原入口の看板

  

憩いの沢を過ぎて10分ほどで前岳湿原の入口に到着

高山植物の保護の為歩道以外立入禁止と表示されている。

  

前岳湿原

前岳湿原

  

前岳湿原には木道が設けられているがかなり壊れかけている。

木道の外側も植物の無い部分が見られた。

  

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ

  

湿原の入口でショウジョウバカマを発見

ほかにも何本か見かけた。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

男岩とガマ岩

男岩とガマ岩

  

手前が男岩で左奥がガマ岩

この辺りから花の種類が多くなってくる。

  

ハクサンチドリ

ハクサンチドリ

  

ガマ岩手前の登山道の脇にハクサンチドリを見つけた。

日陰にひっそりと咲いていた。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

チシマヒョウタンボク

チシマヒョウタンボク

  

強い日差しが射しこむ草むらの中に深紅の小さな花

チシマヒョウタンボクのようだ。

  

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマオダマキ

ミヤマオダマキ

  

登山道の周りにはミヤマオダマキも多く見られた。

青と紫を混ぜたような色で花の先が白くなっている。

間違って絞り優先でF22で撮影してしまったために花の質感が本物とは違う感じになってしまった。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマアズマギク

ミヤマアズマギク

  

ミヤマアズマギクもあちこちで見かけた。

この写真も間違って絞り優先F22で撮影してしまった。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ヒョウタン池

ヒョウタン池

  

ガマ岩を過ぎるとすぐにヒョウタン池が現れる。

池を巻くように登山道が続く。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

蛇紋岩崩壊地

蛇紋岩崩壊地

  

ヒョウタン池を過ぎると蛇紋岩崩壊地に出る。

以前来たときには裸地のままでどこを歩くこともできたが、保護のため木道が設置されていた。

 

エゾノハクサンイチゲ

エゾノハクサンイチゲ

  

蛇紋岩崩壊地の先でエゾノハクサンイチゲが咲いていた。

白い花弁に見えるのは咢片だそうだ。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

夕張岳山頂部と釣鐘岩

夕張岳山頂部と釣鐘岩

  

蛇紋岩崩壊地から目指す夕張岳の山頂方向を望む。

中央に山頂,手前左に釣鐘岩,右に熊ヶ峰が見える。

 

夕張岳山頂部は標高1600前後の峰が南北に1km程度連なっており、遠方から見ると台形状に見える。

羊蹄山から見た夕張岳

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

1400m湿原手前の雪渓

1400m湿原手前の雪渓

  

まだ7月に入ったばかりのため、1400m湿原の手前に大きな雪渓が残っていた。

 

1400m湿原

1400m湿原手前

  

1400m湿原入口の看板

進入禁止、コースの中を歩きましょう。

ここから湿性のお花畑

 

シロウマアサツキ

シロウマアサツキ

  

開花前のシロウマアサツキが木道周辺に多数見られた。

咲いた花はまだ見たことがない。

名前の由来は白馬岳で見つけられたことによる。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマキンポウゲ

ミヤマキンポウゲ

  

ミヤマキンポウゲは同じキンポウゲ科のチシマノキンバイソウに似ているが、花の径がかなり小さく表面に光沢がある。

ミヤマキンバイにも似ているが、こちらはバラ科で、花の形がもう少し平面的な感じがする。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマアズマギク

ミヤマアズマギク

  

こちらのミヤマアズマギクは薄紫色だ。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

タカネグンバイ

タカネグンバイ

  

こちらの白い花はタカネグンバイのようだが確信はない。

エゾノイワハタザオにも似ている。

黄色の花は先ほどのミヤマキンポウゲ

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

釣鐘岩手前の雪渓

釣鐘岩手前の雪渓

  

釣鐘岩手前には雪渓が残っていて数mの急坂を登る。

雪渓の上から湿原や芦別岳方面が良く見える。

 

雪渓から1400m湿原を望む

雪渓から1400m湿原を望む

  

1400m湿原と歩いてきた木道の状況がよくわかる。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

雪渓から芦別岳方面を望む

雪渓から芦別岳方面を望む

  

ここからの芦別岳の眺めは間に連なる山並みなども良く見えて頂上以上のものがある。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

吹き通し

吹き通し

  

釣鐘岩と山頂の間には吹き通しと呼ばれる裸地があり、夕張岳固有の高山植物が見られる。

 

エゾノハクサンイチゲ

エゾノハクサンイチゲ

  

吹き通しの少し手前にエゾノハクサンイチゲが咲いていた。

蛇紋岩崩壊地のものより内部の色が濃い感じがする。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ユウバリソウ

ユウバリソウ

  

吹き通しにはユウバリソウがちょうど見ごろの状態で多数咲いていた。

ユウバリソウは夕張岳の吹き通しでしか見られない貴重な存在

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ナンブイヌナズナ

ナンブイヌナズナ

  

同じく吹き通しにナンブイヌナズナがかたまりで咲いていた。

ナンブイヌナズナも夕張岳など限られた場所でしか見られない。

イヌナズナという名が付く花はほとんど白色だがナンブイヌナズナは黄色の花をつける。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

祠

  

吹き通しを過ぎて急坂を登り切ると、頂上直下は少し窪地になっていてそこに祠たある。

祠の周囲にはキバナシャクナゲなどの高山植物が見られる。

すぐ上が山頂で標識が見える。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

夕張岳山頂

夕張岳山頂

  

祠から山頂まで一息で到着

標高1667.8m、山頂標識の隣には一等三角点がある。

何も遮るものが無い360度の視界。

北に芦別岳、北東に十勝連峰、南は日高、西には羊蹄山も見えている。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

日高山脈

日高山脈

  

南の雲海には日高山脈が浮かんで見える。

右から幌尻岳,戸蔦別岳,北戸蔦別岳、1967峰、チロロ岳が見え、その奥にはピパイロ岳が少し見えている。

 

十勝連峰

十勝連峰

  

北東方向には十勝連峰も見えている。

手前から富良野岳、十勝岳、オプタテシケ山に至る峰がわかる。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

芦別岳

芦別岳

  

北側に芦別岳がはっきりと見えている。

険しい山頂部が良くわかる。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

幌尻岳と戸蔦別岳

幌尻岳と戸蔦別岳

  

日高方面をアップする。

どっしりした幌尻岳と尖がった戸蔦別岳、その左に台形状に北戸蔦別岳が見えている。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

キバナシャクナゲ

キバナシャクナゲ

  

下山開始

祠の隣にキバナシャクナゲが咲いている。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

キバナシャクナゲの蕾

キバナシャクナゲの蕾

  

キバナシャクナゲの蕾を見つけた。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマアズマギク

ミヤマアズマギク

  

祠の近くできれいな薄紫色のミヤマアズマギクを見つけた。

まだ咲きかけのものもある。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾノハクサンイチゲ

エゾノハクサンイチゲ

  

エゾノハクサンイチゲの群落もみられた。

白い花がたくさんあり印象的だ。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ハクサンチドリ

ハクサンチドリ

  

ハクサンチドリも陽の光をあびてきれいなピンク色の姿を見せた。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

金山ルート分岐点

金山ルート分岐点

  

吹き通しの端(山頂側)に金山ルートの分岐点がある。

金山ルートの入口まで8.2kmとあり全長は8.6kmの長いコース

ちなみに大夕張コースは7.1kmある。

 

チングルマ

チングルマ

  

吹き通しにはチングルマの群落もみられた。

岩礫帯の端のハイマツ近くに群生していた。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ユキバヒゴタイ

ユキバヒゴタイ

  

同じく吹き通しにはユキバヒゴタイが地面に張り付くように葉を広げていた。

まだ花の時期には早く蕾の状態

ちょっと気になったのは、吹き通しは登山ルートが明確に分けられておらず、間違って植物を踏みつけてしまいそうな状態にあることだ。

花の咲いていないユキバヒゴタイはその辺りの雑草とたいして変わらないのでよけいにそう感じる。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ユウバリソウ

ユウバリソウ

  

おまけとして最盛期のユウバリソウをもうワンショット撮影

好天のもと珍しい花の盛りに立ち会えて幸運だった。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾノタチツボスミレ

エゾノタチツボスミレ

  

エゾノタチツボスミレだと思う。

淡紫色の小さな花で中に短い毛がある。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ムシトリスミレ

ムシトリスミレ

  

ムシトリスミレは一見スミレに似ているがスミレの仲間ではなく食虫植物のひつつ

石灰岩や蛇紋岩上に生育する。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ユウバリコザクラ?

ユウバリコザクラ?

  

ユウバリコザクラか?

エゾコザクラにも似ているが、花筒が長く花弁の形が若干違うように感じられる。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

チングルマ

チングルマ

  

蛇紋岩崩壊地のところどころにチングルマが咲いていた。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ミヤマハンショウヅル

ミヤマハンショウヅル

  

ガマ岩付近でミヤマハンショウヅルを発見

注意していないと見落としそう。

つい先日メアカン岳の中腹でも見かけた。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

ガマ岩

ガマ岩

  

何かの調査をしているのかガマ岩の周りに複数の人たちが居るのが見える。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

シラネアオイ

シラネアオイ

  

ガマ岩と前岳湿原の間の登山道脇に大きなシラネアオイが2輪並んでいた。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

エゾイチゲ

エゾイチゲ

  

前岳湿原でエゾイチゲがひっそりと咲いていた。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。

カラマツソウ

カラマツソウ

  

望岳台を過ぎた地点でカラマツソウを何箇所かで見かけた。

羊蹄山9合目付近でもたくさん咲いているのを見たことがあるが、必ずしも高山ばかりでなく、札幌近郊でも見られるようだ。

 

この後馬の背コースで下山した。

馬の背コースは冷水コースに比べアップダウンが多いが、尾根を通るため見晴はこちらの方が幾分いい。

 

左の写真をクリックすると拡大写真が見られます。


TOPへ